人より夏バテしやすいのはなぜ?
HSP気質から見る「心の疲れ」の仕組み
夏になると、なぜか心まで疲れる
6月下旬になると、少しずつ夏の気配が強くなってきます。
朝から蒸し暑い。
外に出るだけで汗をかく。
スーパーに行けば、人の多さや音に疲れる。
夜は寝苦しくて、朝起きても体が重い。
特別なことをしているわけではないのに、なんとなく疲れている。
周りは夏の予定を楽しそうに話しているのに、自分だけすでにぐったりしている。
そんなふうに感じることはありませんか?
「私だけ体力がないのかな」
「気にしすぎなのかな」
「夏を楽しめない私は、なんだか損している気がする」
そう感じるあなたは、もしかすると
人より多くの刺激を受け取りながら、毎日を過ごしているのかもしれません。
自分はHSPかもしれない。
そう感じたことがあるあなたは、ぜひ最後までご覧ください。
HSP気質とは?
HSPとは、
音や光、人の表情、空気の変化、におい、相手の言葉のニュアンスなど
周りの刺激を深く受け取りやすい気質のことです。
ただし、HSPは病気や診断名ではありません。
「こういう傾向を持つ人がいる」という、気質のひとつとして考えられています。
HSP気質の人は、よく「繊細な人」「傷つきやすい人」と言われることがあります。
でもそれだけではなく、周りの変化によく気づく人でもあります。
誰かの表情が少し曇ったこと。
場の空気が変わったこと。
部屋の明るさや音の違和感。
自分でも説明できない小さな不快感。
そうしたものを、無意識のうちにたくさん受け取っていることがあります。
受け取る情報が多いぶん、刺激の多い環境では疲れやすくなることがあるのです。
夏は、心に対して刺激が多い季節
夏の疲れというと、体の夏バテを思い浮かべる人が多いかもしれません。
食欲が落ちる。
だるい。
眠りが浅い。
汗をかいて疲れる。
もちろん、そうした体の疲れもあります。
でも、夏のしんどさは体だけではありません。
強い日差し。
蒸し暑さ。
汗の不快感。
エアコンの冷え。
外と室内の温度差。
人混みの熱気。
におい。
寝苦しさ。
夏休み前後の予定調整。
一つひとつは小さなことかもしれません。
けれど、刺激を受け取りやすい人にとっては
その小さな刺激が積み重なって、心と体の処理量が増えていきます。
たとえるなら、頭の中で常にいくつものアプリが開いているような状態です。
暑さを感じる。
汗が気になる。
周りの音が気になる。
人の表情が気になる。
帰ってからの家事も気になる。
ずっと同時に処理していたら、疲れてしまうのは自然なことです。
日常の中で起きる「心の夏バテ」
心の夏バテは、特別な場面だけで起こるわけではありません。
むしろ、いつもの日常の中で起きていることが多いです。
たとえば...
仕事では、
朝の通勤だけでぐったりする。
駅まで歩くだけで汗をかき、電車の中では人の多さやにおい、音が気になる。
会社に着いたころには、もうひと仕事終えたような疲れがある。
家庭では、
夕方になると家族の声や生活音がいつもより大きく感じることがあります。
パートナーは普通に話しかけているだけ。
子どもも悪気があるわけではない。
それでも、自分の中に余白がないと、ついイライラしてしまう。
そのあとで、
「なんであんな言い方をしてしまったんだろう」
と自己嫌悪になることもあるかもしれません。
SNSでも、心が疲れることがあります。
友人や知人の楽しそうな夏の投稿を見て、
「みんな充実しているな」
「私はちゃんと夏を楽しめていないのかな」
と感じてしまう。
本当は比べなくていいのに、疲れているときほど
他人の明るさがまぶしく見えることがあります。
あなたの中で、それだけ多くのことを感じ取り
考え、処理しているということなのです。
夏をラクに過ごすために、刺激を減らしてみる
疲れやすい自分に対して、私たちはつい厳しくなります。
「もっと平気にならなきゃ」
「みんなできているんだから」
「このくらいで疲れるなんて情けない」
こんなふうに考えていませんか?
大切なのは、HSP気質を直そうとすることではありません。
自分がどんな刺激に疲れやすいのかを知り
少しずつ整えていくことが大切。
まずは、「夏が苦手」とひとまとめにせず
自分が何に疲れているのかを分析してみましょう。
暑さなのか。
人混みなのか。
音なのか。
予定の多さなのか。
SNSなのか。
家族の生活音なのか。
疲れの正体が少し見えるだけで、対策は立てやすくなります。
たとえば、
外出した日は帰宅後30分だけひとり時間を作る。
人と会う日は、帰ってから家事を詰め込まない。
予定を連続で入れない。
夜だけSNSを見る時間を少し減らす。
人混みの少ない時間に買い物へ行く。
家族に「少し静かな時間がほしい」と伝える。
刺激を減らすことは、悪いことではありません。
自分のコンディションを整えるための、大切な選択です。
予定を全部なくす必要はありません。
人付き合いを全部避ける必要もありません。
ただ、自分が楽しめる量に調整していくこと。
疲れ切る前に、少し立ち止まること。
それだけでも、夏の過ごし方は変わっていきます。
自分に合う夏の過ごし方を選んでいこう
※本コラムは、夏バテしやすい人はHSPだと伝えたいわけではありません。
HSPかもしれない、と自覚している方は
「夏の刺激によって、余計に疲れやすくなる可能性があるから対策できると良いですね!」
ということをお伝えしたいのです。
夏を元気いっぱい楽しむことだけが、正解ではありません。
にぎやかな場所に行く夏もあれば、静かな部屋でゆっくり過ごす夏もあります。
たくさん予定を入れる夏もあれば、あえて予定を減らす夏もあります。
人と過ごす夏もあれば、自分を回復させる夏もあります。
大切なのは、人と同じように過ごすことではありません。
自分の心と体が、どんな環境でラクになるのかを知ることです。
あなたは周りの刺激をたくさん受け取りながら、毎日を頑張っているのかもしれません。
疲れやすい自分を責める代わりに、少しだけ整える。
無理に明るく過ごそうとする代わりに、自分に合う過ごし方を選ぶ。
それも、とても大切な心のメンテナンスです。
今年の夏は、誰かと同じように楽しむ夏ではなく、
自分の心と体に合った、やさしい夏にしていきましょう。